日本で売れた→海外展開の“ツーステップ方式”の限界

"ツーステップどころかワンステップで終わってるんだけど ガラスマと国産PCを見れば家電はもうあきらめろと言う結論になる"

"ツーステップどころかワンステップで終わってるんだけど ガラスマと国産PCを見れば家電はもうあきらめろと言う結論になる"
「日本製品が世界にあふれている!」
ちきりんが20年以上前に海外旅行を始めたころは、どこの国の家電店でもソニーや松下電器産業(現パナソニック)、シャープなど日本メーカーの商品がずらりと並んでいて、日本人として本当に誇らしく思えました。
しかし、今や状況は大きく変わりつつあります。ホテルや空港、美術館などで見かけるテレビやディスプレイは、その多くがLGなど韓国製品となり、携帯電話やPCでは北欧や韓国、米国や台湾、中国の製品が売り場を占有しています。
家電以外の日用品ではさらに顕著で、生活慣習や味覚、嗜好を共有しているはずのアジアの国でさえ、P&Gやユニリーバなど欧米企業の商品が多くの棚を占め、花王やライオンの商品はごく少数か、もしくは見つけられないことさえあります。食品や飲料でも同じような様相です。
なぜP&Gやユニリーバにできることが、花王やライオンにできないのでしょう? なぜ欧米の一流ホテルはテレビをブラウン管から薄型に変える時に、ソニー製をLG製に変えてしまったのでしょう?
その背景や原因にはさまざまな要因があると言われますが、ちきりんはその理由の1つとして「海外市場をターゲットにする際の検討方式の違いがあるのではないか」と考えています。
検討方式の違いとは、“ワンステップ方式”で海外市場向けに商品を開発・販売している海外企業と、“ツーステップ方式”で海外進出を検討する日本企業の違いです。
ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111128-00000035-zdn_mkt-ind
●海外進出、2つの考え方の違い
“ワンステップ方式”の海外市場進出とは……。
そのメーカーが商品開発会議を行う際、メンバーに配られる検討資料に「当該商品の市場規模」が載っています。そこには北米●億円、欧州●億円、アジア●億円、南米●億円とあり、世界の市場規模が明記されているのです。
資料の2ページ目には「競合分析」が載っています。そこには、日本企業A社、米国企業B社、英国企業C社と自社の主力商品名と、最近の市場シェアの推移が載っています。それらは地域ごとに分析され、どの企業が南米で強い、どこは欧州でどんな売り方をしている、などが分かるようになっています。
3ページ目は「顧客分析」で、それぞれの地域の顧客のセグメンテーションの特徴が書いてあります。最近の南米での顧客の好み、為替が影響を与えているユーロ圏での購買行動の変化……などが説明してあります。
こういう資料を使って商品企画会議を開いている会社を「ワンステップ方式」の会社と呼びます。彼らは最初から、新商品を世界中で売ることを当然のこととして念頭に置いています。そのために必要な商品スペックや価格帯、売り方、ネーミングなどを検討する会議が「商品企画会議」なのです。
これとは別に“ツーステップ方式”を採る企業があります。
そこで商品企画会議の資料に載っている市場規模は、もちろん「日本市場」の規模です。資料の2ページ目の競合分析に出てくるのも「日本市場で商品を売っている企業の一覧」です。3ページ目の顧客分析も「日本人の購買行動の変化」についての分析です。
そして数年後の海外部門の会議。メンバーの手元にある資料には「●●商品の海外展開に関する検討資料」というタイトルが付いています。「日本でヒットした商品が海外でも売れないか?」を検討するための会議が開かれるのです。
配られる資料にはもちろん「進出しようと考えている国の市場規模」や「顧客ニーズの分析」が掲載されています。
●流れの早い現代ではタイミングの遅れが致命的に
この違い、分かりますよね。最初から世界で売ることを前提としたワンステップ方式と、日本で売れた物を「海外展開しよう!」と考える2ステップ方式の違いです。
ワンステップ方式では市場は1つです。1つの市場の中に、いろんなセグメントがあるのです。しかし、ツーステップ方式では最初から市場は「日本市場」と「日本以外の市場」に分かれています。そして、日本以外の市場は常に「後から考える」のです。
日本企業でも、売り上げの大半が海外であるという商品を持っているメーカーなどでは、ワンステップ方式で商品開発をしているのだと思います。反対に言えば、そうでなければ「売り上げの大半が海外」などということは実現できないのです。
特に、北欧のように自国の人口が少ない国や、韓国のように為替危機を経験し、外貨で売り上げを立てることが至上命題になった国では、「最初から世界の市場を見る」ことが当然のように行われているのでしょう。
その点、購買力の高い人口が多い日本市場をホームマーケットとして抱える日本企業にとっては、「まずは日本市場、そして海外」という発想はごく自然なものだったかもしれません。
しかし、技術進歩やトレンド変化のスピードが速い分野では、2段階に分けて考えることによるタイミングの遅れは致命的です。また、最初から世界市場を見すえていれば、より大きな開発予算、投資が可能になったという商品もあるでしょう。
さらに、最初から世界の顧客ニーズをみて開発することで、よりそれらの市場に合った商品を作り出せるのではないでしょうか?
世界を席巻していた家電においても日本メーカーが勝てなくなっている背景には、「日本で売れている最高級品を世界に持っていけば、世界でも売れるはず」という考え、すなわち「日本の商品を世界に持っていく」というツーステップ方式の考えが、「世界で求められているのは、シンプル機能の低価格品だから最初からそっちを開発しよう!」と考えた企業に勝てなくなっているという現象に見えるのです。
シビアな言い方をすれば、ツーステップ方式での商品開発とは「グローバル視野の欠如」を意味します。商品企画の最初から、そして販売計画の最初からワンステップ方式で考えている世界の競合企業と戦うためには、ツーステップ方式はあまりに不利な方式であると言わざるをえないでしょう。
そんじゃーね!
(ちきりん)
名無し
January 06, 2012 21:09デジカメ、車、PC、ゲーム機はすでに1ステップっていうか、日本以外→日本の流れになってるな。
PS Vita はαデバックってことで。
名無し
January 12, 2012 16:52「至上命題」の典型的誤用(というかそもそも「至上命題」なる言葉そのものが間違い)
名無し
February 08, 2012 00:08でも海外にウケる製品にしようとすると
今度は日本でウケなくなっちゃうんだよねえ